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「ピンボケを減らす…」「ストロボを使いこなそう」

★ピンボケを減らす…
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ピンボケを減らす
わずかなピントのズレで良し悪しが変わる
水中写真では、とても小さな生き物が被写体になることもしばしばです。一見するとピントが合っているよ うに見えても、拡大してみると、ピントがずれていたという経験はありませんか。ピントを合わせたい部分から、ほんの数ミリピント位置がずれてしまうだけで 「惜しい写真」になってしまうこともあります。そんな惜しい失敗はなるべく減らしたいものですよね。今回はそうしたピント合わせのコツについて解説してい きます。

正確なピント合わせには、安定した姿勢が大切
陸上よりも重力の影響を受けにくい水中では、撮影姿勢を安定させることが大切です。不安定な撮り方や、片手でのカメラ保 持などでは、正確なピント合わせは難しくなります。体が不安定だと、ピンボケやブレなどの失敗も増えてしまいます。毎回ピシッとピントが合った写真が撮れ ないという人は、撮影姿勢を改めて見直すのも必要かもしれません。

「半押し」は必須技術!
デジカメは、シャッターボタンを押しきらず、半分ほど押し込むとオートフォーカスの機能が起動して、ピ ント合わせを始めます。これが「半押し」と呼ばれるもので、半押しをせずにそのままシャッターボタンを押してしまうと、ピントを合わせる前にシャッターが 切れてしまい、ピンボケ写真になってしまうのです。半押しをして、ピントが合うと、ランプや音で知らせてくれます。まずは半押しを覚えて、自分のデジカメ はどのくらいシャッターボタンを押すと半押し状態になるか練習しましょう。普段グローブをして水中写真を撮っている人は、グローブありの状態で練習するの もいいでしょう。海に行かなくても家でできる練習ですから、ぜひ試してみてください。

コンティニュアスオートフォーカスや自動追尾オートフォーカスなど、被写体との距離が定まらないときの撮影に適したオートフォーカスのモードを使いこなそう

被写体を明るく照らすもの、正確なピント合わせのコツ
デジカメのオートフォーカスは、暗いところや、コントラストのないものなどにピントを合わせるのが苦手です。ですので、 撮影用のストロボとは別に、ピント合わせの補助光として、ライトを準備するのもおすすめです。被写体を明るくすることで、ピントがより合わせやすくなりま す。ストロボを使わずライトを光源にして撮影しているという人はそのままのスタイルでいいでしょう。

深度合成機能を使ってみる
機種によっては、深度合成と呼ばれる機能がある機種もあります。これは一回シャッターを切ると、デジカ メが自動でピントの合う位置を少しずつずらしながら何枚も撮影し、手前から奥までピントの合った写真を一枚に合成してくれるというもの。下の作例では、背 景のボケ具合が違うのがわかるかと思います。小さくピント合わせの難しい被写体にはありがたい機能ですが、シャッターを切っている間、カメラを固定しなく てはいけないのと、ストロボの発光ができないなどいくつかの条件がありますので、取り扱い説明書を読みながら試してみてください。

深度合成モードの画面。機種によって機能の有無、設定法などは異なる

まとめ
ピント合わせについて解説してみました。陸上ではピンボケ写真は ほぼ皆無といえますが、水中という環境では失敗してしまうミスの一つです。基本中の基本の技術ですので、しっかり覚えてシャープなピント合わせを心がけて ほしいものです。
*月刊『マリンダイビング』のカメラマンのはらだま

★ストロボを使いこなそう
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水中写真に関するお悩み相談でお問い合わせの多い、ストロボの話。
ストロボ撮影の注意点は? 1灯2灯どっちがいいの? ストロボの向きは大丈夫?*MD
水中写真ではストロボはマストアイテム?!
 陸上でも写真を楽しんでいる人は、あまりストロボを使用しての撮影というのは経験がないかもしれませ ん。陸でストロボを使う場合、明暗差を弱めたり、暗くて手ブレを起こしそうなときに使うことが多いですが、水中写真の場合は、青カブリした色を太陽光下で 見た色に近付け、本来の色を再現するために使用するのが、水中でストロボを使う主な理由です。ですので、水中写真ではストロボはマストアイテムといってい いほどの大切な機材の一つであり、使い方で写真の印象が大きく変わるといえるでしょう。
ストロボの設定を確認しよう
 コンパクトデジカメやミラーレス一眼など、ハウジング内に内蔵したストロボは、強制発光モードにセットしておきましょ う。陸上であれば、ストロボの発光の有無は、明るさによってデジカメが自動的に判断するオート発光でも問題ないと思いますが、水中では前述のように色を再 現するために、毎回の撮影で発光する必要がありますので、強制発光モードに切り替えましょう。また、外部ストロボを使用するときも、内蔵ストロボの発光に 連動して光るので、内蔵ストロボは強制発光モードにセットしておく必要があります。
2灯撮影で影を弱める
 初めにストロボは色を再現するためと解説しましたが、ストロボを使用すれば、影ができます。影は立体 感や凹凸を感じさせるには、必要なものですが、あまり影が濃すぎるのも暗い印象を与えてしまいます。そこでストロボを左右から当てて、影を相殺するように 発光させると、影の薄い、柔らかな印象の写真になります。ただし、立体感を弱めてしまうときもあるので、ライティングには注意しましょう。
縦位置写真は、ストロボの向きに注意
 縦位置で撮影する場合、内蔵ストロボ、外部ストロボともに、発光部とレンズの位置関係に注意しましょ う。縦位置の構え方というのは、無意識で構えると、各自のクセで右手が上になる人、下になる人それぞれがいます。ストロボがレンズよりも上になる構え方で あれば、影は被写体の下にできますが、逆の構え方だと下から光が当たることになり、影が被写体上部にできて、いわゆる「お化けライト」のようなライティン グになります。外部ストロボを使用しても、可動範囲の狭いアームですと、こうしたことは起きやすくなるので、縦位置で構えるときはストロボの向きを意識し てみましょう。
まとめ
 ストロボを上手に使うための解説でした。光の当たり方次第で、写真の印象は大きく変わりますので、ストロボを発光させる位置を工夫してみると、写真が変化すると思います。ぜひ試してみてください。

*月刊『マリンダイビング』のカメラマンのはらだま

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